博多祇園山笠は7月1日(土)から7月15日(月)まで福岡の博多区で開催。
毎年変わらぬ日程で執り行われ、
祭りのハイライトは、最終日に行われる「追い山」レース。
男どもが「舁き山(かきやま)」と呼ばれる大きな山車を最高速度で担ぎ、
街中を駆け巡る。
7月1日からは「飾り山」が展示されるほか、
7月10日から7月14日までは「流舁き(ながれがき)」行列が行われるなど、
楽しみが盛りだくさん!
コロナ前の2019年の観客数は300万人、経済効果は500億円と言われるこの祭り、
コロナが治まりつつある今年は、以前の様に大勢の観客がやって来るでしょう。
博多祇園山笠はどんな祭り?
博多祇園山笠がどんな祭りか知りたいなら、
きっかけを知っておくと、何がどうなってるか見えて来る。
博多祇園山笠が祭りを始めたきっかけ
博多祇園山笠が祭りを始めたきっかけは、
鎌倉時代に伝染病を祈祷水を撒いて、
疫病を退散させる儀式を行ったことが始まりと言われいる。
なるほど、山笠を見ると、水しぶき柄が飾られている。
きっと祈祷水を表現したものであろう。
明治の山笠を見よう。
「オーッ」と驚く程ノッポな山笠!
水しぶき柄の飾りが上部にあり、これが祈祷水を現わしているのだろう。
鎌倉時代に博多の伝染病で知られているのは「天然痘」。
博多は外国との交易地で、
大陸から時々天然痘を持ち込んで街に拡がった。
得体のしれない病魔を鎮める儀式に、民衆がすがって
「博多祇園山笠」に発展して行ったのであろう。
ちなみに、天然痘の恐ろしさは次の通り。
感染症の中でも人類史上最大の脅威と言われた天然痘、我が国の歴史の中で 福岡とその天然痘が切り離すことができない関係にあることは あまり知られていない。
福岡県民新聞
天然痘は ウイルスに感染することで発症、感染力が強く 流行時には約8割が罹患し、致死率20~50%という恐怖の感染症である。
ほとんどの人が感染して、10人に2~5人は亡くなる病魔は、今の日本では考えられない恐怖である。
その恐怖から逃れるために「博多祇園山笠」の儀式は真剣に行われたに違いない。
博多祇園山笠は巨大過ぎて危険なので二つに分割した
上の写真の通り、明治の山笠は超巨大で、高さ10mを越えたそうな。
「これを背負うなんて、嫌だ!」と思った人は多いのでは?
余りにも重く、巨大なので、1771(明和8)年に一回だけ、車輪を付けてみたが、スピードが出過ぎて民家を壊し、それきりになり、足の先端は金属むき出しになっている。
近代に入り、ノッポの山笠は電線切断事故を相次ぎ起こしたので、奇策を施した。
それが、山笠を「飾り山」「舁き山」の二つに分ける改造だった。
「飾り山」は綺麗を担当して、飾られ専門。
「舁き山」は駆け抜け用、飾りはコンパクト化された。
せっかく軽くしたのに、今も「舁き山」に車輪は付けず、足は金属むき出しのまま。
なぜなの?
そう、足の金属は強力なブレーキになる。
「ワーッと全力で走り抜けて、ガガッと止まりたい!」と言う気持ちが分かるようだ。
博多祇園山笠を楽しむコツ
博多祇園山笠を楽しむコツは、
行事スケジュールを確認して観たい物を決めて訪れる
祭りは7月1日から7月15日まで開催され、
15日間も続く長いお祭りは、
日によって内容が変わる。
観たい物は人それぞれなので、
当たりはずれがないように、
興味あるイベントの日を狙って行くことがオススメ。
人気のイベントは、
7月1日からは「飾り山」と言わる山車が展示され、
7月10日から7月14日までは「流舁き」行列が行われる。
12日(15時~)の追い山ならしと、13日(15時~)の集団山見せも見どころだが、
何といってもハイライトは、最終日の7月15日早朝(04:59~)に行われる「追い山」レース。
スタートの櫛田神社から、廻り止め(決勝ゴール)の須崎町石村萬盛堂前(町奉行所跡)までの5キロだ。
「今までが練習、いよいよこれからが本番!」
男どもは「舁き山(かきやま)」と呼ばれる大きな山車を舁き、全速力で市内を駆け巡る。
山笠通過コース

合間に地元の食べ物を試してみる
せっかく博多に来て、地元の美味しいものを食べない手はない。
観覧の合間に地元の食べ物を試すことをオススメする。
博多は、濃厚なだしが効いた太くて柔らかいうどんで有名だ。
有名なうどん店に
- 葉隠うどん
- うどん平田
- うどん八
- 金石瑞穂
などが有る。
まとめ
「山車を引く」とか「神輿を担ぐ」とはよく聞く言葉だが、山笠の場合は「山笠を舁く(かく)」と言うのだ。
昔の山笠は非常に重く、前かがみになって背中全体で担ぐので「舁く」と言われた。
近年、巨大過ぎた山笠は二つに分けて、「飾り山」「舁き山」になった。
走り抜け用の「舁き山」は軽くなった分、昔より疾走するようになったはず。
「舁き山」は軽くなったとは言え1トンはあるとのこと、
目の前を走り抜ける迫力に「あぜん」とする者多々。
15日間の長い祭り、どの日にお目当てのイベントが有るか確かめた上、訪れると良いでしょう。
観覧の合間に、「博多うどん」は地元の味、思い出に良き味が添えられることでしょう。
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