サンデーモーニングで寺島実郎が処理水からトリチウムは除去できるとコメント!

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サンデーモーニングで「福島の処理水からトリチウムを除去する技術はある。数兆円費用がかかるが、他国ができない中、日本が除去できれば影響力があり、反対の声を抑えることができる。」旨のコメントがありました。

”トリチウムは除去できないので仕方なく薄めて排出する”と今までニュースで報道されていたと思うので、本当だろうか?と半信半疑になりました。

どうなのか調べてみました。

目次

寺島実郎「福島の処理水からトリチウムを除去する技術はある」

サンデーモーニング(7月9日)コメンテーターの寺島実郎(てらじまじつろう)さん

TBSサンデーモーニング

寺島「トリチウムは兆円単位の金がかかるが、取り除いて排出すれば中韓が度肝を抜く」

トリチウムは有害と無害の意見が飛び交ってますね。

例えば、
トリチウムの放射線は弱い、服や皮膚を通過できない。

内部被ばくすれば有害だ。

放射線は弱いのでほとんど無害だし、体に取り込んでも40日で排出される。

詳しい説明は次のサイトにもあります。
安全・安心を第一に取り組む、福島の“汚染水”対策③トリチウムと「被ばく」を考える
【風評の深層・トリチウムとは】修復されるDNA…被ばく量考慮

この発言にツイッターではいくつか意見が上がってます。

「トリチウムは除去しきれないということではなかったのか?」

「科学的に無意味なトリチウム除去に兆円単位の金をかけりゃそうだろうよ。」

数兆お金を掛けて、トリチウムを処理水から除去できるものなのか、調べました。

処理水からトリチウムを除去する技術はあるか?

ネットで調べた結果、処理水からトリチウムを除去する技術はありました。

完成した多孔質体は、
直径5nm(ナノメートル)以下の大きさの
微細な穴「細孔」を有し、

毛管凝縮によって
細孔内に水とトリチウム水を取り込んだ後、

トリチウム水を細孔内に保持したまま、
水だけを放出する機能があります。


この多孔質体を格納した
装置(フィルター)によって、
汚染水からトリチウム水を
高効率に分離することができます。

また、多孔質体を加熱することで、
細孔内に残ったトリチウム水を
放出し回収することができます。

装置は繰り返し利用できるため、
低コストでのトリチウム除染が可能です。

2018年大学プレスセンター

これは2018年の記事です。このころトリチウム除去の新技術があったのですね!

では今まで良く聞いた”トリチウムは除去しきれない”という記事の一つを見返してみましょう。

「基礎からわかる「トリチウム排出問題」

・・・
トリチウムを分離するには、
放射性の水とそうでない水を
分けることになり、

物質そのものを除去すれば良かった
他の核種と比較して、
技術的なハードルが段違いに高いのです。

超高性能の遠心分離機を利用すれば、
分子の重さの違いを利用して、
水とトリチウム水を分離することは可能です。

ただ、コストも時間もべらぼうにかかります。


カナダは原発由来のトリチウムの純度を高めて
販売しているのですが、

1グラムあたり300万円と高価です。

分離されたトリチウムは、
水素爆弾の材料なので、
核拡散禁止条約によって、
日本はそのような設備を持つことが
許可されていません。
いろいろな意味で現実的とは言えません。

・・・

2021年 yahooニュース

超高性能な遠心分離機を使えば
抽出できそうだが、
高価で時間がかかるだろうから
簡単にはできない
ということだったようです。

それにしてもこの記事2021年で、
2018年に発表された
「多孔質体でトリチウムを分離する」新技術について
何も言っていないのが
なぜなのか気になりました。

さらに、トリチウムを分離して抽出できたら、水素爆弾の原料になってしまう。

こっちもかなり怖い話ではありますね。

でも核融合発電が実現したときは、
集めたトリチウムが燃料になるわけですし、
魅力的な技術となりそうです。

 

それからカナダに
既にトリチウムを
1グラムあたり300万円で抽出する
技術があると言ってますね。

どんな抽出方法でしょうか、調べてみました。

トリチウム除去設備を用意しています。

そこでは重水とともにトリチウムを取り入れ、
トリチウムを気化させて抽出し、
重水を再び原子炉内へ循環させています。
・・・
抽出プロセスは
大変コストが掛かりますので、
世界でも現実に実施しているところは
少ないでしょう。


カナダではダーリントン原子力発電所に
優秀なトリチウム除去設備があるので、
容易なのです。

2020年 原子力産業新聞

気化させて抽出する方法で、大変なコストがかかるとのこと。

 

調べてわかったことをまとめると、トリチウムの抽出には

  • 多孔質体にトリチウムを吸着し分離する
  • 超高性能遠心分離機でトリチウムを抽出する
  • トリチウムを気化させて抽出する

の3つの方法があるようです。

3つのどれかを採用するにしても、もうタンクが満杯になるのに間に合わないので、

海洋放出しながら、並行して技術の実用化を図るのが良さそうですね。

トリチウムを除去で反対の声はおさまるか?

結論から言うと、処理水からトリチウムを除去しても、反対の声はおさまらないと思います。

なぜなら、中国が「処理水」を
「核汚染水」と言って
海洋放出反対を唱え、
その理由に
水に含まれるトリチウムよりも
他のことを問題としているからです。

7月4日駐日中国大使館報道官の中国の反対する立場を表明した記事をかなり圧縮して要約すると

  1. 日本は周りの国と協議を経ず、
    一方的に海洋放出を決定し、
    国際法に違反している。
  2. 他の四方法の
    ・地層注入
    ・水蒸気放出
    ・水素放出
    ・地下埋設
    が提起されたが、日本に無視された。
  3. ALPSの有効性と完成度が
    第三者による評価を経てないため、
    装置の長期にわたる信憑性がまだまだ疑間が残っている。
  4. 福島核汚染水が
    福島原発事故で融解した原子炉の炉心と
    直接接触したもので、
    60種類以上の核種が含まれる。
    トリチウム以外にも
    有効性が認められる浄化技術がない
    核種が多数ある

以上から
トリチウムを除去できても
中国の海洋放出反対の立場は
変わらないと予想されます。

中国の反対理由で日本が既に対応してきたもの

調べた範囲では、中国の反対の1~4点の内、日本が既に対応して来たものがあります。

2.他の四方法の提案を日本に無視されたについて

2020年 『福島第一原発の処理水の現状と今後の取扱いについて

を読むと、
五つの方法を検討して、
前例や実績があり
放出設備の取扱いや
モニタリングが比較的容易な
「海洋放出」が
選ばれたと書かれてます。

無視はしていないようなのです。

3.ALPSの有効性と完成度が第三者による評価を経てない

いやいや、IAEAの評価を受けてます。

IAEAは最後の一滴まで監視するとも言ってます。

4.60種類以上の核種が含まれる

海洋放出に懐疑的だった韓国は、
独自の検証結果の報告書に
次のように明記しました。

放射性物質の濃度などは「国際原子力機関(IAEA)などの国際的な基準に合致する」
と指摘。

韓国周辺の海域に及ぼす影響は「微々たるもの」と明記した。

2023.7.7 読売新聞オンライン

いろんな核種があっても、基準以下だったら問題はないと言うのが合理的な判断ではないだろうか。

 

残された課題は
1.の ”一方的に海洋放出を決定した” ですね。

一方的と言われるのは辛いですね。

もうタンクが満杯でどうにかしなければいけない。

それを周知しながら、IAEAと協力して、
なんとか間に合わせるように
打開策を進めて来た現状を
知ってほしいと思ってしまいます。

これは地道に、
周辺国の不安に丁寧な説明で
対応して行くことではないでしょうか。

日本原子力規制委員会と、第3者のIAEAの2重の評価を基に、
安全性の丁寧な説明を
辛抱強く続けることを
政府にお願いしたいですね。


まとめ

中国が福島の処理水海洋放出を声高に反対していますね。

サンデーモーニングで寺島実郎コメンテーターが「処理水からトリチウムを除去する技術はある!」と指摘したことについて、本当かネットで調べました。

その結果見つかった方法は、

  • 多孔質体にトリチウムを吸着し分離する
  • 超高性能遠心分離機でトリチウムを抽出する
  • トリチウムを気化させて抽出する

中国の海洋放出反対の理由は、
トリチウム以外のことにあります。

トリチウム除去だけに膨大なコストを追加するよりも、

処理水の安全性の確保と維持をし、

日本原子力規制委員会と、
第3者のIAEAの
2重の評価を基に
周辺国へ丁寧な説明をするのが
良いのでは。

福島の海洋放出されるトリチウムの量は、
中国や韓国の原発よりも少ない量であることは
知れ渡った事実ですし。

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